甲羅に着いた黒い粒つぶは
・・・旨さのバロメータ?

2015.11.30

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冬の味覚の王者、ズワイガニの甲羅に付着している黒い粒々は何だかご存知ですか?カニビルの卵です。カニビルの成虫は長細い形をしており、ヒルの名前に恥じず吸盤のような口で魚に吸着し体液を吸って生活しています。しかしカニビルはズワイガニの甲羅を産卵の場所に利用するだけで、ズワイガニの体内に寄生をしたり、ズワイガニの体液を吸ったりはしません。ズワイガニの甲羅に産卵するのは、カニビルが生息する海底が柔らかい泥に覆われている場所で、他に産卵に適する場所がないため、ズワイガニの甲羅を卵を産み付ける場所に利用しているだけと考えられています。
俗に、この粒々がたくさんついているカニは身がギッシリ詰まった美味しいカニだと言われます。カニは脱皮しながら大きくなりますが、脱皮前には、新しい甲羅を作るため栄養を使いカニ身はやせ細ります。カニビルの卵が多く付いているということは、「脱皮してから時間が経過して再び身がギッシリ詰まってきているハズだ」と考えられるからです。しかしカニビルの生態の詳細が不明で未だ俗説の域を脱していません。真偽のほどは各自お確かめください。とりあえず私は30分ほど家族との会話を封印し、ひたすらほじくりに徹します。

銀杏の臭い
牛のゲップか足の臭いか・・散々ですね

2015.11.30

銀杏(イチョウ)の樹は親類縁者が現存しません。植物分類学上では植物界・イチョウ門・イチョウ綱・イチョウ目・イチョウ科・イチョウ属・イチョウに分類されイチョウ門に属するすべての植物のうち、現存しているのはイチョウただ一種だけ。20種類ほどあるイチョウ門の植物は化石でしか確認されていません。
ところでイチョウの当て字「銀杏」はどうしてもイチョウと読めません。イチョウの語源はその葉の形から水かきの付いた鴨の脚先に似ていることから中国では「鴨脚」と書き、読みは「ヤーチャオ」。イチョウに近い発音ですね。
しかしギンナンのあの異臭は何とかなりませんかね。秋の大阪御堂筋の臭いのもとは酪酸とぺプタン酸という物質です。ギンナンの熟した臭いは、サルやネズミですら食べようとしないと言われるぐらい強烈です。バターやチーズなど酪農製品に酪酸が含有されていたことから、酪酸と名付けられました。化学的には揮発性脂肪酸で牛の第一胃でも微生物が生成し、反芻獣のエネルギー源となり、一部は嘔気(ゲップ)にも排出されます。乳牛の牛舎の臭いの原因でもあります。哺乳類は極微量でも臭いを探知することができ、ヒトでは 10 ppm までイヌではその1000分の1、 10 ppbまで嗅ぎ分けることができるといわれています。またこの酪酸とペプタン酸は、人間の足の悪臭の原因とだと言われています。しかし、足の臭いだといわれても、パチンと割って口にポイと放り込み、グビっと熱燗・・・この季節のルーチン、どうにもはずせませんわ。

神が下されし芳しい茸
・・・と考えるのは日本人だけ

2015.09.25

香りの話題が続きますが、『万葉集』の巻十に、次のような歌が詠まれています。
高松のこの峯も狭(せ)に笠立てて盈(み)ち盛りたる秋の香のよさ
奈良の春日山の南にある高円山の峰に、狭いほどに笠を立てて豊かに生えている松茸の香りを詠んだ歌だそうです。千四百年前の万葉集に詠まれるなど歴史からみても、松茸への日本人の愛着は他のキノコの追従を許しません。愛着というか殆ど憧憬に近いですね。しかし日本人がこれだけ珍重する松茸の香りの成分であるケイ皮酸の香りを欧米人が嗅ぐと、「軍人の靴下の臭い」「数ヶ月も風呂に入っていない不潔な人の臭い」などとさんざんです。「日本人の松茸への愛はすでに遺伝子に刻まれている」とも言われる所以です。外国産の松茸も殆ど日本向けに輸出され、現地での消費は皆無と聞きます。
松茸はカサが開いている方が香り高く、つぼみのようなものは歯ごたえがあります。どちらを楽しみたいかはお好み次第ですね。茸類はお酒と柑橘系が、その持ち味をグンと引き立てます。日本酒を軽く振ってから加熱して、いただくときにスダチなどをしぼるとおいしさが違いますよ。

神が下されし芳しい花
香油は未だに天然物由来

2015.09.07

ジャスミン(茉莉花:マツリカと読みます)の花が真っ盛りです。ジャスミンの語源はペルシャ語の「ヤースミーン(神からの贈り物)」。古代ペルシャ人もこの香りを神様からの贈り物として愛でたようです。茶壷(チャフウ)でいれた鉄観音に半開きの花を放り込んだら、素晴らしい香りが鼻をくすぐります。3年前に訪れたミャンマーの首都ヤンゴンでは車内のルームミラーに吊らすようジャスミンの花を糸に通して花束にして売っていました。赤信号で車が停ると、ジャスミンの花束を持った子供が押し寄せて来ました。これで250円ぐらい。ジャスミンの香りを特徴付ける香気成分、cis-ジャスモンは、工業的生産法が確立されておらず、天然の花から抽出し精製するしか方法が無いため、これを主原料とした香水は非常に高価だそうです。なんといっても花約700kgから香り成分の粗抽出物であるジャスミン・アブソリュートがわずか1kgしか得られないのですから。ところで匂いとは不思議なものですね。近くで嗅ぐと強い匂いでも拡散性があまりないもの、近くで匂ってもそれ程強く香らないのに拡散性があり、遠くまで漂ってくるもの。ジャスミンの香りは前者、東洋蘭の香りは後者です。匂い成分の分子量の大きさだけでは拡散性は説明できないらしいです。よく香る東洋蘭は座敷の床の間に飾ると欄間をすり抜け、隣の部屋まで香りが漂います。蘭の香りを通すため蘭間と名付けられたとか。

出世とともに値が下がる
しかし江戸前で光ものといえばこれ!

2015.08.31

コノシロは日本になじみ深い魚であることから、言い伝えが多いですね。大量に獲れたために下魚扱いされ、「飯の代わりにする魚」の意から「飯代魚(このしろ)」と呼ばれたとか。また「腹切り魚」で「この城を、食う・焼く」ということから武家には忌み嫌われていました。コノシロは「シンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロ」と4回名を変えながら、成長する出世魚です。面白いことに、若いシンコが一番値が張ります。出世していくにつれ、値打ちが下がる魚というのも、何だか悲しいですね。
東京では幼魚シンコの走りの時期には、寿司ネタには1㎏当たり数万円という高値がつきます。人差し指にも満たないシンコを腹開きにして中骨をすき取り、塩で軽く締めて甘酢に当てる・・・経験による『勘』が大きなウェイトを占める寿司職人の仕込み加減で風味が大きく変化します。小型で身が薄く包丁で上手に捌くことが難しいことから、寿司職人の技量を計る魚とも呼ばれています。大トロは仕入れで八割がた味が決まっているが、シンコは仕込みが八割以上ってことにもなるわけです。江戸前でコハダはなんと言っても「江戸前にぎり」の花で勢いがあり、光ものといえばコハダが代名詞です。それに粋で格好がよかったみたいですね。浮世絵なんかで、芝居見物に鮨を取って食べていますが、ほとんどがコハダずし。「坊主だまして還俗させて、コハダの寿司でも売らせたい」なんて戯れ歌もあります。若くてハンサムな坊主に言い寄り、還俗させ粋なコハダ寿司売りでも生業にさせ、ねんごろになりたいものだワ・・・いつの時代でもこの手のマダムはいらっしゃるようです。
ワタクシ的にはシンコはなんとも頼りなく、これぐらいのやや小さめのコハダが好みです。

夏の夜に可憐なサギソウ
繁殖の受粉を手伝うのは蛾

2015.08.25

夏の盛りの頃から咲きだすサギソウ。白鷺が翼を広げ、まさに舞い上がろうとする様な形をして、いかにも涼しげです。サギソウは地生性のラン科植物です。サギのようにみえる花びらは、ラン科植物の花びらの中で最も大きな唇弁(リップ)が三つに分かれたものです。そして距(きょ)と呼ばれる花の後方に垂れ下がる部分が非常に長いのが特徴で、この先端に蜜を蓄えています。その蜜で誘引するのはさぞかし華麗な蝶々かと思いきや、長い口吻を距の奥に差し込んで受粉を手伝うのはなんとスズメガです。効果的に蛾の頭部に花粉をつけられるように花粉を含む葯の配置も巧みです。ラン科植物は環境に適応するよう巧妙に進化した植物なのです。花言葉の「夢でもあなたを想う」からもうなづける様な悲恋の伝説があります。深い谷をはさんだ山向こうとこちらの男女が逢瀬を求めて川に落ちてしまいサギソウに姿を変えたという話が美濃地方に伝わっています。
「鷺草のおくれ咲きしも翔(か)けそろふ」水原秋櫻子

平賀源内の策略かぁ?
まあ良いではありませんか!今年は二度いただけますよ

2015.08.05

春夏秋冬の各季節の終わりの18~19日が土用の期間で、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の日の前の18日~19日間です。一方、365日毎日12支の干支が順番に割り付けられており、つまり12日ごとに1回の割合で、丑の日が廻ってきます。土用の期間が18日~19日ですから、土用の入りの日の干支によって、「土用の丑の日」が2回ということもあるわけです。土用の丑の日が2回ある時は、最初の丑の日を「一の丑」2回目の丑の日を「二の丑」といいます。お江戸は浅草寺の「酉の市」でよく使われている「一の酉」「二の酉」と同じですね。2015年の土用の丑の日は2回、 7月24日と8月5日です。土用の丑の日といえば言うまでもなく鰻の蒲焼。丑の日は災難が多いと言われ、丑の”ウ”のつく食べ物で厄払いするようになったとか。鰻以外にも瓜、梅干、うどん、うさぎ、馬肉(うま)、牛肉(うし)などを食する習慣もあったようです。諸説ありますが最も有名なのは、売り上げが伸びず困っている鰻屋に、エレキテルの発明者の平賀源内が「本日土用丑の日」と看板を書いてはり出してやったのが評判に…という説。さて画像は江戸の背開き、蒸しが入った横浜馬車道の「福久」さんのうな重、もう一つは上方捌きの腹開きを守る西宮の酒蔵通りにある「竹葉亭」さんのものです。グルメの方は見て判別できますよね。

移り気な緑色のアジサイ
ファイトプラズマ感染症ではありません

2015.06.10

梅雨入りしてアジサイの紫色が目にしみますね。ご存知のようにアジサイの萼片は土壌のpHとアルミニウム濃度に影響を受けて綺麗な青色に発色します。 その後、花の老化とともにクロロフィルが増加すると夏色アジサイと呼ばれ、緑がかってきます。さらに放置しておくと秋には紅葉し赤みを交え、秋色アジサイになりこれらは切花として大人気となっています。花色の移ろいから花言葉は「移り気」「浮気」など散々で、ウエディングのブーケに用いられることはありません。このように花の老化とともに緑色を呈するのは全く生理的なものですが、アジサイにファイトプラズマという病原体が感染すると花の葉化などの奇形を起こし、その結果、緑色になってしまうことが解りました。ファイトプラズマの研究者、東京大学の難波成任教授の研究内容を報道したサンケイ新聞の記事には「緑色のアジサイはファイトプラズマ感染による」と書いてしまい、花卉業界に大きな影響が出てしまいました。開花初期から緑色を呈するファーストグリーンやグリーンシャドーなどの品種は先祖返りをして緑色が発現しているもので、ファイトプラズマ感染によるものではありません。情報の伝達は誤解を生まないように、正確に伝えてほしいものですね。

首を吊るには低すぎるハナスオウ
蘇芳色は やんごとなき色?血糊の色?

2015.04.18

十兵衛、零子の毎朝の散歩道、枝川沿いの遊歩道にハナスオウが満開です。一般にスオウ(蘇芳、蘇方)と呼ばれ、花の色は確かに、平安時代の貴族が好んで身に付けたやんごとなき蘇芳色ですが、その染料である蘇芳は実は全く別の植物から得られます。つまり蘇芳色の花が咲くからハナスオウと名付けられただけだったんですね。
イエス・キリストを裏切った12番目の使徒ユダがハナスオウで首を吊ったという伝説から西欧では「ユダの木」とも呼ばれています。日本国内で出回っているのは中国原産のものでせいぜい2~3mの低木ですから首も吊れませんが、地中海原産のハナスオウは高さが10mにも及ぶ大木だそうで、これなら首を吊るのも余裕でOKと、妙なところに納得しました。また芥川龍之介の短編小説『藪の中』にも蘇芳が登場します。ただし高貴な色の表現ではなく、藪の中で男の死体が見つかった現場の状況の表現に「死骸のまわりの竹の落葉は、蘇芳に滲みたようでございます」というくだりがあります。血糊のおどろおどろしい原色の表現に「蘇芳色」という古典的な表現を用いることで絵画的描出を際立たせる効果を狙ったのでしょうか?やんごとなき花の色や首吊りや血糊のことはどうでも良い十兵衛はその根元に勢いよく放尿!

石像の金次郎は戦時下お目こぼし
船坂小学校跡の二宮尊徳さん

2015.04.15

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大陸からゆっくりと移動中の寒冷渦の影響で不安定な天気が続いています。そんな中、狂犬病予防集合注射の会場になった西宮市北部にある船坂小学校跡に行ってきました。船坂小学校は明治6年に開校して平成22年の閉校まで、137年の歴史を持つ西宮市で最も古い小学校のひとつです。六甲の豊かな自然環境に囲まれ、校舎の大部分は懐かしい木造です。 この小学校の閉校を受けて、現在、地元住民と市が協働して跡施設の活用に取り組んでいるのはご存知ですか?運動場の隅に歴史ある小学校ではお決まりの二宮尊徳像がありました。昭和初期、大日本帝国主義をとった政府は尊徳の生き様を戦争に利用するため銅像にして全国の小学校に建てたのです。皇紀2600年に当たる昭和15年頃が銅像建立のピークだったようですが、戦局の悪化や軍需物資不足に伴い金属類回収令が出され、金次郎の銅像も例外に洩れず鉄砲や大砲の弾等に化けたようです。銅像はほとんどお目にかかれなく、石像ばかり残っているのは、そのせいなのですね。

寒アヤメ、冬の弱々しい陽光の中で
花の少ないこの時季、注目されるはずなのに・・

2015.02.25

ここ三日ほど暖かい日が続き、病院の花壇に、カンアヤメ(寒菖蒲)が咲きだしました。文字通り寒い季節に咲くアヤメですが、今年は開花がやや遅れていました。冬の弱い陽光のもとで咲いてくれ、花のない季節には貴重ですが雪をかぶっても凛として咲く姿には少々痛々しさも憶えます。花命は3日程度でしおれて汚くなりますが、新しい花が次々と上がってきます。しかし初夏に力強く咲くアヤメに比べて、小型でしかも何とも弱々しく、「咲き誇っている」という感じは見られません。今年は、開花が遅れていましたが、そのことさえも忘れてしまっているほど、目立たない存在です。やはり季節外れ!ということで、あまり一般受けしないせいかもしれませんね。

私の心配をやわらげて・・
冬の貴婦人と呼ばれながら有毒植物

2015.02.19

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放ったらかしにしていたホワイト系のクリスマスローズ、花数は少ないですが大輪です。なんだか申し訳なく今年は肥料も水も欠かさないようにいたしましょう。花が咲き始める2月頃から化学肥料を与えるようです。イエス・キリストが誕生したときに、羊飼いたちと一緒にマデロンという少女が祝福に駆けつけました。贈り物に囲まれた赤ん坊のキリストを見て、貧しかったマデロンは自分には何も贈るものがないと嘆いていたところ、天使が舞い降り、地面に触れると、そこにクリスマスローズが開花したというのです。マデロンはそれを摘んでキリストに捧げたそうです。ところでクリスマスローズはキンポウゲ科の植物で属名のHelleborus(ヘレボロス)はギリシア語の「helein(殺す)」と「bora(食べもの)」が語源となり、この植物の根に毒があることにちなみます。ちょっとコワイです。でっ、その花言葉はマデロンの心配をやわらげたことから・私の心を慰めて ・私の心配をやわらげて ・私を安心させて までは良いとして ・中傷誹謗 ・悪評 ・発狂 ・スキャンダル・・・げげげっ何じゃこりゃ!冬の貴婦人と称されながら有毒植物でもあるクリスマスローズ。花言葉もその二面性を表しているのでしょうね。

霜柱には六甲颪が必要?
厳冬の風物詩

2015.02.02

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冷たい朝ですね。病院犬の十兵衛、零子の散歩中に、ららぽーと甲子園の南側道路脇の植え込みで見かけた霜柱。何年ぶりでしょうか。都市部では霜柱が立つむき出しの土がなくなってしまいましたからね。地中の温度が0℃以上で地表の温度が0℃以下のときに、 地中の水分が毛細管現象によって地表にしみ出し、柱状に凍結したものです。昨夜は東北から北海道にかけて台風並みの低気圧が発達し、典型的な西高東低の気圧配置で、天気図でも筋状の雲が吹き出していました。夜間は激しい六甲おろしが吹き、気温がグングン下がったのでしょう。関東ローム層の土はその粒度が水分を含みやすいため、霜柱が立ちやすいそうですが、阪神間の平地は六甲山系を形成する花崗岩が風化した砂地が大部分です。なのでほとんど霜柱ができません。霜柱が立つのは写真のように客土された部分に限られています。思わず童心にかえり、ザクザク踏んでみました。おう、明日は2月3日・・豆を撒かなくっちゃですね。

七草粥のやんごとなきお味
唐の妖怪「鬼車鳥」を退散させるパワー有りや?

2015.01.07

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正月七日にいただく七草粥。わが国では平安時代に天皇が神に供えて無病息災を祈念した年中行事として始まりました。江戸時代には庶民の間に広がり「七草なづな、唐土の鳥が日本の土地へ渡らぬ先に・・・」と七草囃子を歌いながら、若菜を叩く風習が盛んになりました。唐土の鳥とは鬼車鳥のことで頭が九つもある中国の妖怪で、九つうち一つは犬に食いちぎられ、常に血が垂れているというおどろおどろしいゾンビ状態。この妖鳥が中国から飛来し疫病や災いを招くと信じられていたので囃子を唱えながら七草粥をいただくようになったそうです。今年も七草粥セットを買い求め、無病息災、鬼車鳥退散を祈念いたしましたが、皇室に始まったやんごとなきお味はしもじもの私にとっていささか頼りなく、妖怪退治できるほどのパワーは感じさせられませんでした。現代の鬼車鳥、PM2.5と野鳥が運ぶ高病原性鳥インフルを退治する方法は如何に。

厳冬の凄みをたたえた海
子らの歓声のあがる空間だけが色付きで暖かい

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お正月3日、ららぽーとまで買い物に出かけたついでに腹ごなしを兼ねたウォーキング。甲子園浜まで足をのばしました。ポカポカ陽気でしたが、さすがに浜辺の風は冷たく、頬を打ちます。波打ち際では屋内のゲームに飽きたのでしょうか?子供らが歓声をあげていました。海に突き出た橋脚は、戦前ここにあった甲子園水族館の残骸です。厳冬の凄みをたたえたにび色の海面に弱々しい冬の入日が反射して美しい。子供らが歓声を上げている空間だけが何故だか色付きで暖かい感じがしました。